関西スクエアからのお知らせ

会員の寄稿

新しいエンターティメントをめざしてーOSK日本歌劇団オンライン配信始開始―
OSK支援委員会会員・フリーアナウンサー 坂口智美様

 2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大から始まった。現在でもその不安はぬぐえず、先の見えない毎日である。経済界ももちろんだが、文化・芸術も大きな打撃を受けている。人間の心を豊かにするはずの大切な分野が従来の形態では機能せず、社会生活では心の停滞を引き起こしているように思う。エンターティメント界でも、舞台・劇場公演の中止・延期が相次いでいる。再開しても休演状態に陥ることも少なくない。今、最も安全に楽しめるのは、オンライン配信だけだろう。そこで、嬉しいニュースを一つ。

①タイトル.jpg

 8月1日、OSK日本歌劇団が大阪心斎橋Brooklyn Parlor内に、オンライン配信を常備した劇団専用スペースをオープンさせた。新開場記念「無観客ライブ」第一弾は、トップスターの『桐生麻耶(きりゅうあさや)スペシャルライブ』。ファンのリクエストから発売されたベストアルバムから楽曲が抜粋され、歌・ダンス・演技も加えた充実の内容である。

 「MINNIE THE MOOCHER」。ジャズの調べに乗って浮かび上がる桐生の後ろ姿。♬ハイディハイディハイディハーイ~ 夢も希望も絶望も破滅も この街には何でもあるのさ...♪キャブ・キャロウェイも真っ青な歌唱力とカッコよさ。現歌劇界で大人の男性を演じさせたら右に出るものはいないだろう。桐生は、昨年度の「咲くやこの花賞」を歌劇界で初めて受賞している。絶対的エース、「唯一無二の男役」と言われる由縁だ。
 「COME RAIN OR COME SHINE」。雨の日も風の日も一緒にいよう...甘いささやきから「OH MY LITTLE GIRL」。アカペラで始まる尾崎豊の世界へと続く。桐生の舞台に立てる喜びがあふれ、猛暑を吹き飛ばすくらいの勢いで進行する。
 このあと、バックの203インチ大型モニターにZoom観劇している視聴者が映り、フランクな桐生とコミュニケーションが取れる事も楽しい。(Zoomは試験的に無料配信中)

②オペラ座の怪人.jpg

 「オペラ座の怪人メドレー」。豪華なオペラ座の客席が現れ、劇団一の歌姫・城月(きづき)れいがクリスティーヌで登場し、桐生が怪人の絵になる二人。まるでロンドンミュージカルの日本版のようだった。
 「久遠の河」「そばにいて」。夕日、雲の流れ、黄金光の泉...映像も効果的だ。トークコーナーでは、公演エピソードや二人のモットーなども披露された。場面展開時には、一昨年の武生公演「GERSHWIN NIGHT」の主題歌に合わせ、今公演の二人のお稽古場映像も楽しめる。
 「ジギルとハイド」。善と悪を、城月と桐生が丁々発止と歌い演じる。「My way」。打って変わって、生きている喜びを。「Whatever will be will be」。昨年のたけふレビュー公演の映像と桐生とのコラボレーション。ラストは「元気を出して」で全10曲。実力とルックスを兼ね備えた二人によって、包容力と魅力あふれる桐生ワールドレビューとなった。充実した生ライブ発信は、是非、世界中の人にも観てほしいものだ。

公演ラストメッセージ
「 立ちどまらないでいられるのは 皆さまがいてくれるからです...
           心から ありがとうございます      桐生麻耶 」

 同じく、8月1日からオンライン配信された『Dandy~ダンディ~』。若手男役6人、登堂結斗(とうどうゆいと)・天輝レオ(あまきれお)・雅晴日(みやびはるひ)・知颯かなで(ちはやかなで)・空良玲澄(そられいと)・夏目せな(なつめせな)による③Dandyフィナーレ桜咲く国.jpgスタイリッシュで紳士的な男役像をコンセプトにした、華麗なレビュー。同期生の登堂と天輝を中心に、昨年公演されたもののリバイバルだ。6人6様のめざす男役像をみせてくれる。OSKは決して大人数の劇団ではないが、その分、ファンはスターたち一人一人の魅力に気づくことができる。1公演ごとに確実にレベルが上がっている。これからどんな男役に成長するのか、期待に胸膨らませる公演となった。
 ♬やわなハートじゃついてけない~高見めざす道なかば~この道の行く先はーI'm gonna be so Dandy♪。

 8月後半には、楊琳(やんりん)・千咲えみ(ちさきえみ)二人による初めてのライブショーと、虹架路万(にじかけろまん)・翼和希(つばさかずき)・朔矢しゅう(さくやしゅう)・せいら純翔(せいらじゅんと)・依吹圭夏(いぶきけいな)による和の趣に特化した男役×日舞の歌劇が配信される。『男舞』は、昨年末、京都先斗町歌舞練場で公演され、大好評だった。

 本来ならば、OSK日本歌劇団の魅力を余すことなく体験できるのは劇場観劇が一番だが、新型コロナウイルス感染拡大が心配な昨今、新しい演出で画像・音響ともに舞台と遜色ないオンライン配信で、画面を通して華やかなレビューを大いに楽しんでいただきたい。

詳しくは、OSK日本歌劇団のホームページまで。
https://www.osk-revue.com/
『OSK Revue Cafè in Brooklyn Parlor OSAKA 無観客ライブ配信』
・「ZAIKO LIVE」1公演2275円(購入者手数料275円を含む)
高画質・複数カメラでの撮影に加え、開演時間の24時間後までアーカイブ映像が残るため、終演後の視聴・購入も可能
・「Zoom」無料配信(期間限定)

(写真提供:OSK日本歌劇団)