中之島プレミアムトーク=2019年5月31日開催

会員の寄稿

令和の時代も桜満開に!‟OSKレビュー春のおどり"開幕
-新トップスター桐生麻耶(きりゅう・あさや)お披露目公演―
 フリーアナウンサー 坂口智美様

 「はるのーおどりは~、よーいや、さー!」

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 3月28日、桜が満開になった東京で、「OSKレビュー春のおどり」が東京・新橋演舞場で開幕した。「唯一無二の男役」がキャッチフレーズの新トップスター・桐生麻耶のお披露目公演である。

 第一部は、和物レビュー。OSKに縁が深く、これまでに何度も作品を手掛けてきた山村友五郎の作・演出・振付「春爛漫桐生祝祭(はるらんまんきりゅうのまつり)」全6章。チョンパの幕開きで、春の訪れとトップ披露の重なる喜びを祝う『さくら祭』。若衆姿の桐生の笑顔が眩しい。続く『節分祭』は上方落語からのコミカルな一幕。『葵祭』は、菅原道真の桐生が直衣姿で悲哀を込めて花道に登場し、のちに怨霊となって藤原時平(楊琳)と闘う。『夏祭り』は、「OSKのお祭り男」との異名を取る桐生の十八番。天神祭、エイサーまつり、ねぶた祭と心おどる賑やかさ。打って変わって初秋の『風の盆』、恋に出会う青年を無言の踊り手たちが胡弓の調べに乗って惑わせる。絵のように幻想的で、思わず越中富山で切ない恋がしたくなった。フィナーレは、群馬県桐生市の八木節に桐生麻耶のトップ披露の挨拶が歌詞に入れられ、めでたさを寿ぐ総踊りとなり、華やかな舞い納め。全国の祭りの各場面が、日本舞踊の新しい発展を目指す「五耀會」のメンバーによる振り付けで、日本と日本舞踊のすばらしさを実感できる和物レビューである。

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 第二部は、洋物レビュー。俳優でもあり振付師としても活躍する平澤智の作・演出・振付「STORM of APPLAUSE」全8章。珠玉の場面ぞろいだ。桐生のソロで始まり、演目が語られる、とてつもなくカッコいい幕開け。舞台袖に控える全員の熱気がひしひしと伝わり、一気にダンスの大きなうねりが劇場全体を包み込む。『Fate Storm』は、クラシックの名曲をダンスで綴り、無色な桐生を筆頭に音符のような圧巻の群舞。ダンスのOSK史に残る場面だろう。『Fate love』けだるい現実と天と地。音楽の発祥地アフリカの鼓動のような『Hallelujah』では、力強いコーラスが生きる喜びを実感させてくれる。ステージに立つことへの想いのつまった『劇場』。ロケットと称されるOSKの高速ラインダンスは、今回キュートな小物づかいが憎い演出だ。津軽三味線にあわせた殺陣(たて)のような男役の群舞『JAPAN』に思わず唸ってしまう。『Jazz』では、全娘役と桐生とのペアダンスが楽しい。そしてラストの『Parade』からフィナーレの「桜咲く国」へ。ステージと会場が一体となり、ピンクの桜パラソルが劇場中を埋め尽くす。笑顔があふれ、明日からまた頑張ろうと元気をもらい、お腹一杯まんぷくになるレビュー。間違いなく、OSKの歴史に残る‟春のおどり"だ。

 千穐楽は、スタンディングオベーションで幕が下り、来年5月の新橋演舞場公演も決定した。翌日、新しい元号が「令和」と発表された。英訳は「Beautiful Harmony」、手話表現は花のつぼみが未来に向かって咲く様子だ。OSK日本歌劇団と重なる思いがした。

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 そして4月13日、OSKの生まれ故郷である大阪松竹座でも初日を迎えた。先月の取材会では「創立97年を迎えるOSKは多くの人に支えられてきた。あふれる感謝の気持ちを舞台の上でお届けしたい」と桐生麻耶。解散の危機を経て、舞台に立つことが当たり前でないことを身をもって体験したことが、プロフェッショナルな舞台人・桐生麻耶の原動力になっているのだろう。  100周年に向け、パワフルで新たなスタートを切ったOSK日本歌劇団。大正、昭和、平成、令和と引き継がれていく"桜咲く国"。新時代の幕開けと共に益々前進していくに違いない。

 

 "OSKレビュー春のおどり"は、大阪松竹座で4月13日から21日まで。


詳細は、OSK日本歌劇団 http://www.osk-revue.com/
大阪松竹座 http:/www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/osk2019_shochikuza/