写真は関西プレスクラブ提供

特集

9月20日開催 直木賞作家・門井慶喜氏講演

「歴史に学ぶ」



「銀河鉄道の父」で今年1月に第158回直木賞を受賞した作家・門井慶喜氏は関西スクエア会員だ。門井氏は9月20日、ヒルトン大阪で在阪の報道機関などでつくる関西プレスクラブ主催の講演会に出演し、直木賞誕生の歴史を語った。


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 門井氏は「直木賞はオリンピックのようなもの。普段はあまり文学に関心のない人も関心を向けてくれる」。また、直木賞は「一種の文化財」といい、1935年に直木賞を創設した菊池寛について振り返った。


 菊池寛は京都大学出身。当初の純文学路線から作風を転換し、大衆小説『真珠夫人』で大評判となり、1923年に『文藝春秋』を創刊した。門井氏は「『真珠夫人』で大金が入り、雑誌創刊の原資になったと思う」「菊池寛は芸術家の枠を大きく外れている。『売れるから書こう』という合理主義者」と述べた。


 創刊時の『文藝春秋』を支えた作家が芥川龍之介と直木三十五。門井氏は「菊池寛は京大出身と言ったが、直木三十五は大阪生まれ」「菊池寛は流行作家の直木三十五を使いまくった。直木三十五は派手な生活をしながら、毎晩徹夜で書き続け、あっという間に体をむしばまれ亡くなった」


「直木三十五の死の翌年に芥川賞、直木賞が創設された。芥川はその7年前に亡くなっている。両賞創設の契機は芥川より直木三十五の死と思う。菊池寛はそれだけ、直木三十五に対して、罪の意識を感じていたのだ」


 最後に、門井氏は「直木賞という名のオリンピック騒ぎは今後も続くだろう。連綿と続く歴史の末端に立たせてもらっているのは歴史好きの私としては大変光栄です。せっかく直木賞をもらったのだから、私も菊池寛ふうにこれを利用して、次に何をしてやろうかと考えているところです」と締めくくった。(写真は関西プレスクラブ提供)


                                                

※ 後日、詳しい講演内容を関西スクエアホームページにアップします。 (湯浅 好範)