監督を務める女子日本代表チームのユニフォームと、橘田恵さん

特集

女子野球監督・橘田恵さんに、2017年度関西スクエア賞

 関西ゆかりの若い世代を顕彰する「関西スクエア賞」。2017年度は女子野球監督の橘田恵(きった・めぐみ)さん(35)が受賞しました。2018年3月16日、大阪市北区の中之島会館で表彰式があり、沖縄での大会で出席できなかった橘田さんからは、喜びのビデオメッセージが届きました。



女子野球のパイオニア


 橘田さんは兵庫県三木市出身の1983年生まれ。小学1年で野球を始め、兵庫県立小野高校では硬式野球部の練習生として、男子部員とともに練習に励みました。大学4年の時、日本人女性ではじめて豪州野球リーグの選手となり、翌年にはMVPを受賞しました。


 女子野球のパイオニア的存在で、大阪の履正社高校監督として2017年4月の全国高校女子硬式野球選抜大会で初優勝。同年5月、女性で初めて侍ジャパン日本女子野球代表監督に就任し、2018年8月、米国・フロリダで開催される女子野球ワールドカップに挑みます。



橘田さんの軌跡とワールドカップへの思いを、メッセージビデオでご覧ください




スポーツはジェンダー平等の鍵

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 表彰式では、関西スクエア会員で選考委員、大阪大学理事・副学長の工藤眞由美さんから、次のように受賞理由が説明されました。


 この度の受賞は、履正社高等学校監督として第18回全国高校女子硬式野球選抜大会における初優勝に導いたこと、ならびに、女性として初めて日本女子代表監督に就任し、アジア大会での優勝に導いた功績が特に高く評価されたものです。


 2015年に国際連合によって採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、2030年までに「ジェンダー平等」を達成するロードマップを策定し、そのなかで、スポーツを「開発と女性のエンパワーメント」のための重要な鍵としています。


 日本では、1999年に公布・施行された男女共同参画社会基本法において、男女が性別による差別的取り扱いを受けないことを旨とする男女の人権の尊重という基本理念が掲げられていますが、残念ながらスポーツ界にも、女性にとって不平等、不公平が多く残っています。このような中で、橘田様が、女子野球のリーダーとして、この栄えある賞を受賞されたことを大変うれしく、また心強く思っております。


 あわせて、橘田様が、国際大会を勝負の場としてだけでなく、世界的視野を涵養(かんよう)する舞台と考えておられることに敬意を表します。


 今回の受賞を機に、橘田様が、日本球界きっての国際人として、グローバルな視野から、選手たちを育成し、共にますます活躍され、関西そして日本を大いに元気にしてくださることを期待致します。



夢は世界○○です。


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 表彰式に出席できなかった橘田さんの代わりに、教え子で履正社高校3年・女子硬式野球部員(当時)の香川怜奈(れいな)さんと、佐藤美桜(みお)さんが、賞状と副賞を受け取りました。


 野球をする女性たちの先頭を走る橘田さん。生徒たちの道しるべでもあります。彼女らに「将来の夢は?」と聞かれたとき、橘田さんは「世界平和」と答えるそうです。


 「野球ができるということは、ご飯が食べられるということです。野球ができる国がどんどん増えて、野球をする人がどんどん増えることで、世界がもっともっと平和になる。野球で世界平和に貢献できたらなと思っています」。

       
(構成 八田智代)